誰にもどうしても忘れられない過去があります。思わず悔やんでしまう過去があります。ああすればよかった、こうすればよかったと、ことあるごとにふと思い出してしまう過去があります。
どうしてあのときこうしなかったのかと後悔するとき、自分自身が情けないというような自分自身を責めているような言葉で説明していても、たいていどこかに「どうしても」許せない相手がいるものです。
あのとき、あの人がああしなかったら、という思いをどこかに持っているものです。

私たちは、過去を思い出すたびに、想像の中で過去を現在に引き寄せています。
過去はたいてい失敗の記憶です。悪い種をまいたことを後悔しています。過去を思い出すということは、まいた悪い種を掘り起こそうとしているようなものです。まいてしまった種はどうしようもないのです。
しかも、過去にまいた種のことを後悔の思いで思いだすとき、現在においても悪い種をまいていることになるのです。
いまは、良い種をまくことに専念するときです。良い種をまけばきっと良い実がなるのですから、せっせと良い種をまき続けることです。

過去は忘れてしまうことです。きれいさっぱりと忘れてしまうことです。
どうしても忘れられなければ、すべてしっかりと覚えておくことです。しっかりと覚えておいて、そして、すべて許してあげることです。

みんな許してあげる。ぜんぶ許してあげる。そう宣言してしまうのです。
まわりの他人はもちろん、嫌な思い出、嫌な感情、過去のすべて、そして自分自身がしてきたこと、自分の性格もすべて、みんなまとめて許してあげる。そういう宣言です。

こころの底から本気で「許してあげる宣言」が出来たとき、はじめてほんとうの良い種をまくことができます。

HMU 達弥西心