出会いがあれば別れもあります。出会いも縁ですが、別れも縁です。別れていくのは、縁がなくなったからです。お互いのお互いに対する役目が終わったからです。ただ、それだけの理由です。長い間お役目ご苦労さまでした。どうぞこころおきなく行ってください、と淡々とその別れを受け入れることです。
別れることを嘆き悲しむより、出会ったことを喜ぶことです。出会って、一時期でも触れ合うことができたということは、その期間だけでも縁があったということですから、その縁を大切にしたいものです。
お互いに思いを残すような別れだけは絶対にしたくないものです。恨み、つらみ、嫉妬など、悪い感情だけは、誰に対して持っても、誰からも持たれてもいけません。この世では、その別れが最期になるにしても、何百年かのちに、またこの世に生まれてきたときに、必ず出会うことになるからです。
何かの事情で別れの決意を迫られたとき、このままだと相手の人が駄目になるからという理由では、別れの決意はできないものです。このままだと自分が駄目になると思えたときに、別れの決意はできるものです。
あなたでなければならなかった、あなただったから良かったと、相手に言って欲しいと思う気持ちがいつもどこかにあるものです。でも、その人は本当はあなたでなくても良いのです。ほかの誰かでもよいのです。たまたま、そこにあなたがいたから、今はあなたと一緒にいるだけのことです。
それでも、その人と一緒に生きていけますか。それでも、私でよかったらどうぞ一緒に生きていきませんかと、声をかけてあげることができますか。
縁というものは、きっとそんなものでしょう。
ひとり歩きの実践は、この世での縁のレッスンが完結編です。
HMU 達弥西心